赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


しまった。カウンセリングのことは言ってないけど、治療することは柚季ちゃんに相談しちゃったよ……。



「すみません……友達に話しちゃいました……」

「そうでしたか。こちらこそ、言うのが遅れてすみません。友達なら大丈夫ですよ。不特定多数の人に知られないようにしていただけたらいいので。お願いします」

「わかりました」



友達になら大丈夫と言われたけれど、あまりベラベラ話さないでほしいって顔してたな。

千冬と潤くんには何も話してないから、とりあえずは、相談に乗ってくれた柚季ちゃんにだけ伝えよう。



†††



「ほほぉ。こりゃまた随分本格的だね。本当に金銭は発生しないんだね?」

「うん。別れ際にも言われたから大丈夫」



翌朝、登校してすぐ柚季ちゃんに報告。

怪しい話は持ちかけられてないと伝えると、ホッとした顔で「良かったぁ」と声を漏らした。


後からお金を請求されるんじゃないかと心配していたらしい。
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