赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


無料って言われるものほど、そういう話、よくあるよね。


私もそこは心配していたけど、むしろ、『内緒で治療してお金を取ってたら、バレた時に親に怒られちゃいます』って。

別れ際にそう言われて、金銭面の心配は完全に消えた。



「無事に決まったのなら良かったよ。夜城くんと鳥越くんには話したの?」

「いや。柚季ちゃんみたいに相談してないし、1から説明すると時間がかかりそうだから、タイミングを見て話そうと思ってる」



2人ともクラスが違うから、なかなかまとまった時間が取れないんだよね。

潤くんとは放課後に会ってはいるけれど、毎回ってわけじゃないし。

千冬もまた新しい実験を始めたから、会うのは登校する時くらい。


電話かメールで話そうかとも考えたけど、直接話したほうがわかりやすいんだよなぁ。



「そっかそっか。でも早めに伝えるんだよ? 四角関係にならないうちにね」

「よっ……⁉」

「ナイト様が嫉妬しないよう気をつけるんだよ〜」
< 102 / 316 >

この作品をシェア

pagetop