赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


チャイムが鳴り、少しニヤついた顔で柚季ちゃんは席に戻っていった。


もー……柚季ちゃんったらまた妄想して。

そもそも、先輩は純粋に私を助けたいって思ってくれているだけ。

千冬も潤くんも、私のことは幼なじみとしか見ていないし。四角関係なんてあり得ないって。



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──



「1時間なら待ってるよ。終わったら連絡して」

「ごめんね。本当にありがとう」



朝のホームルーム後。

潤くんに明日の放課後に予定が入ったことを伝えた。

「今後も定期的に急用が入るかもしれない」と追加で説明すると、「そういう時は図書室や教室で時間を潰すから大丈夫だよ」と言ってくれた。


昨日と同様、柔軟に対応してくれて、感謝と感動でいっぱいだ。



「大変そうだね。委員会の仕事か何か?」

「いや……話すと長くなるからまた今度話すね」



ごめんね潤くん。

誤解がないようにちゃんと説明したいから、もう少しだけ待ってほしい。
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