赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「ではまず、雨村さんの健康診断に関する質問をしていきますね。3年連続で血液検査だけが悪いとのことですが、Fと診断される前はどのランクでしたか?」
「えっと……小学生の時は、CとDを行き来してて、Fに下がる前の中2の時はDランクでした」
「CとDですか……。その中2の時というのは、大体いつ頃ですか?」
「4月です。学校で行われた健康診断の時でした」
手元のメモ用紙にペンを走らせる沢村先輩。
お医者さんと違って威圧感はないんだけど、顔が真剣だからドキドキする。
始まって1分も経ってないのに帰りたくなってきた。
「中3の診断時にはFならば、この1年間で2段階下がってしまったわけですね?」
「はい。そうです」
素直に返事をすると、先輩は眉間にシワを寄せて難しい顔をし始めた。
ううっ、怖いよぅ。もう帰りたい。
はぁ、自然音でもいいから音楽かけてもらえば良かった。
次の質問にビクビクしていると──。