赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「ただいま〜」
「あ、おかえり」
口を開こうとしたタイミングで潤くんが戻ってきた。
助かった……。と、ホッとしたのもつかの間。
「ごめん、ちょっと聞こえちゃったんだけど……沢村先輩って誰?」
少し気まずそうに笑っている潤くん。
そして隣には、真顔でじっと見つめる千冬。
あぁ、これはもう全部話すしかないや……。
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──
休憩時間を丸々使い、これまでに起こった出来事を全て話した。
血液事情を知らない潤くんには、通院している理由も説明して。
2人とも治療に対して、「本当に大丈夫なの?」ってすごく心配していたけれど、だいぶ慣れてきたと伝えたら、なんとか納得してくれた。
「まさか通院先の息子だったとは。すごい偶然だな。それで、治療内容はどんなやつなの?」
「今は雑談会やってて、慣れてきたら先輩の友達と交流する予定だよ」
「へぇ〜。その友達ってどんな人?」
「詳しくは知らないけど、中学時代からの友達って聞いたかな」