赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


質問攻めする千冬に1つずつ答えていく。


納得してくれたとはいえ、よっぽど私が心配なんだな。なんか過保護なお兄ちゃんみたい。



「……ねぇ、その沢村先輩って人には、次いつ会うの?」



千冬に説明していると、ずっと黙り込んでいた潤くんが突然口を開いた。



「次はテストが終わった後だから……来週の金曜日だよ」

「時間と場所は?」

「えっと……放課後で、場所は中庭」

「そう……」



え、ちょっと、なんでそんなに暗いの?
っていうか、眉間にうっすらシワ寄ってない?

潤くんがこんな険しい顔するの初めて見たかも。



「あのさ……その雑談会、俺も参加していいかな?」

「ぅえええっ⁉」



飛び入り参加を希望され、昨日に引き続き再び変な声を上げた。



「ほら、元々は俺を通して恐怖症克服したいって言ってたし。だから、俺も参加したほうが効果的かなって。あと、吸血する時も待たなくて済むし」
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