赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


スラスラと理由を述べた潤くん。


言われてみれば、すぐ吸血できるし、人数が多いほうが効果的。

慣れてきているけれど、期間が空くとまた緊張するかもしれないから、参加してくれたら心強い。

けども。



「なんなら千冬も参加する?」

「えー、その日実験しようと思ってたんだけど……まぁ、挨拶くらいはしたいかな。この前できなかったし」

「ちょ、ちょっと待って! 私、先輩の連絡先知らないの!」



勝手に話を進めていく彼らに叫ぶように言い放った。



「えっ、マジ?」

「ってことは、今まで口約束だったの?」

「うん……でも、説明すれば大丈夫だと思う!」



どうして口約束なのかというと。

『ただでさえ男の人が苦手なのに、見知らぬ先輩といきなり連絡交換するのは怖いですよね』と、先輩が気遣ってくれたから。

最初はすっぽかされないか心配だったが、ちゃんと約束を守ってくれている。


いきなりはビックリさせちゃうけど……連絡できないならしょうがないよね。

……大丈夫、かな?

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