赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
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「お邪魔しまーす」



勉強会終了後、潤くんに吸血させるため、帰り道に家に招いた。

お父さんとお母さんは出かけていて、ちょうど2週間前と同じシチュエーションだ。



「今日は指からもらおうかな」

「いいよ! どうぞ〜」



玄関に座り、手を彼の前に差し出す。

久々の2人きりと、指先からの吸血に、心臓が早鐘を打つ。


手の甲と同じように若干痛みはあるんだけど、感覚が少し違って、吸われる度にビクッてしちゃう。

他の部分よりも神経が敏感だからかな。



「それじゃ、いただきます」



漆黒の瞳が赤に変わったのを合図に、指先にチクリと痛みが走った。

手元から目を逸して深呼吸を繰り返す。


包み込んでいる手と触れている唇。

夏だから体温が上がってて熱いだけなのに、この前よりも心臓がうるさい。



「ごちそうさま。ありがとう」

「……どういたしまして」
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