赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「いえいえ。お会いできて嬉しいです。3年の沢村 宗星です。今日はよろしくお願いします」
期末テスト終了後。
中庭にて初対面の3人の自己紹介が行われた。
最初は驚いていた沢村先輩だったけれど、事情を説明したらすんなり了承してくれて胸を撫で下ろした。
「自作のサプリですか! すごいですね! 最近は何を作ったんですか?」
「日焼けを抑えるサプリです。今は食欲を増進させるサプリを作ってます」
「千冬が作るサプリ、すごく飲みやすいんですよ。良かったら飲んでみますか?」
「いいんですか? ありがとうございます」
4人がけのテーブル席に座って会話を交わす男子達。
文系の私とは違って理科好きの3人。かなり盛り上がっている。
「粒が小さいので飲みやすいですね。これは鉄分サプリですか?」
「はい。僕吸血鬼なので毎月もらってるんです」
「あっ、私ももらってるんです!」
「そうなんですか! 鳥越さん、友達思いですね」
「まぁ、幼なじみですから」