赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
ええええ⁉ 1週間も⁉ 1度も目を覚まさずに⁉
嘘でしょぉ、学校サボっちゃったよぉ……。
「大丈夫。学校には連絡してあるから。ノートも友達が取ってたみたいだから心配しなくていい」
「なら良かった……」
その後、再度検査が行われ、異常なしと診断をもらい、帰宅することができた。
1週間ぶりの家と食事とお風呂にホッと安心した、夜の9時過ぎ。
──ピーンポーン。
「はーい」
インターホンが鳴り、玄関を開ける母の声とお客さんらしき人の声が聞こえた。
こんな遅い時間に誰? 宅配便?
でも、時間指定って9時くらいまでじゃなかった?
千冬にもらった鉄分サプリを口にしつつ、スマホ画面に映る写真を拡大。友達が送ってくれた授業ノートを書き写していく。
とりあえず、明日ある教科だけでも終わらせないと。
「風花ー! ちょっと来なさーい!」