赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
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「潤くん、これどう解けばいいかわかる?」
「ん? どれどれ」
朝食と昼食を終えた午後2時過ぎ。
風花の部屋でテーブルを囲み、宿題に取り組む。
午前中は1人でやっていたのだが、苦手教科の問題が解けず、互いに助けを借りることにしたのだ。
「途中まで解けたんだけど、ここからがわからなくて」
「あー……ごめん、俺もそこ解けてない」
数学のプリントを見せ合いっこして式を確認するも、同じところで止まっている。
この問題、難しくて放置してたんだよな。
「そっかぁ。この問題難しいよね」
「だよね。他のなら解いてるけど、見る?」
「いいの? ありがとう!」
落胆していた瞳を輝かせた風花。
いいところを見せられたと思いきや。
「潤くん、これも途中まで?」
「ん? あー……うん」
「ありゃー。そっかぁー。これも難しいよね。式が複雑でちんぷんかんぷんだもん」