赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
運悪く、ちょうどつまずいていた問題だったようで、またも力になれず。
……かっこわる。これじゃ一緒に勉強してる意味ないじゃん。
「やっぱ解けないねー。千冬に聞いてみる?」
「そうだね。電話してみるよ」
教科書とノートを参考にしばらく格闘したのだが、どうしても先に進めなかったので、千冬の力を借りることに。
【はい、もしもし】
「もしもし。今大丈夫?」
【大丈夫。どうしたの?】
「今風花と宿題してて、ちょっとわからないところがあったから教えてほしいんだけど、いい?」
「千冬先生、教えてくださーい!」
【おー、いいよ】
テーブルの上にスマホを置いてスピーカーにし、千冬の解説の元、問題を解いていく。
理系だからか、既に数学の宿題は終わらせていたらしく、わかりやすく教えてくれた。
「助かった。ありがとう」
「ありがとう千冬先生!」
【どういたしまして】
無駄のない解説のおかげで、ものの5分で終了。
お礼を言って電話を切ろうとしたその時。