赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


笑顔で共感する姿に胸を撫で下ろした。


良かった。普通に話せてる。

お風呂の後に謝りたかったけど、部屋の電気が消えてたから声かけづらかったんだよな。



「あの……この間は、先に帰っちゃってごめんね。心配して言ってくれただけなのに……酷い言い方してごめんなさい」



謝ろうとしていた矢先、先に風花が頭を下げてきた。


そんなの……。

確証もないのに勝手に判断して、心配して。

あげくの果てには、俺がいるんだからわざわざ手を借りなくてもいいだろって。

嫉妬丸出しのワガママを言った俺のほうが酷いのに。



「いや、俺のほうこそ。口挟みすぎてごめん。あとさっきも……怖がらせてごめんね」

「あぁ、お風呂のやつ? 起こそうとしてただけでしょ? ビックリしたけど、別に怖くなかったよ」



くしゃっと甘い笑顔を向けられて、真夏だけど胸がポッと温かくなった。


あぁどうしよう、理性が揺れてる。

頑張って抑えないと、今にも抱きしめちゃいそうだ。
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