赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「ごめんごめん、はしゃぎすぎたね。真相は不明だけど、話聞いてる限り、風花のことすごく大切にしているなぁって思うよ」
「あー……それはわかるかも」
大切にされているのは実感している。
何かあったら相談してねと寄り添ってくれたり、ピンチの時に何度も助けてくれたり。
吸血の時も、私が怖くないよう気遣ってくれる。
だけど、私は彼にとって、友達でもあり食料でもある。
食料に何かあったら困るから、丁寧に扱っているだけなのではないだろうか。
……なんて、昔から優しいのは変わりないのに、こんな捻くれた考えをするのは失礼か。
「それにしても、風花が重大決心してたなんて知らなかったよ」
「……黙っててごめんね」
「ううん。話してくれてありがとう。大変だったね」
潤くん、柚季ちゃんに続き、千冬にも翼とのいざこざがあったことを報告。
『また4人で会いたい』と言ったら、『そっか。でも無理はするなよ』と千冬らしい返事をもらった。