赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


「実はこの間、友達に告白されたんです。といっても、好きとは言われてなくて、すごく遠回しに言われたんです。それで、どう捉えていいのかなと……」



ただ男子側の意見を聞きたいだけなのに、月明かりに照らされた横顔がボンッとよみがえってきて、顔中に熱が集まっていく。

あぁもうやだ、恥ずかしい。



「遠回しですか……。恋愛経験が少ないので、あまり具体的な助言はできませんが、ストレートに言えない奥手な人なのかもしれませんね」

「奥手、ですか?」

「はい。雨村さんのことを大切に想っていて、関係が崩れたり、困らせてしまうのを恐れて怖じ気づいてしまったんじゃないかなと思います」



自信がないと言いながらも、丁寧に答えてくれた。


奥手かぁ、どうなんだろう。

相談してねとか、私がいないと生きていけないとか、けっこうハッキリ言ってるからなぁ。


でも、柚季ちゃんと話したように、大切にされているのは実感しているから……後者の意見が有力なのかな。

だとしたら、両想いってこと……⁉
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