赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


「あの、深掘りするようで申し訳ありませんが……もしかして、お相手って夜城くんですか?」

「ええっ⁉」



突然潤くんの名前が出てきて、思わずガタッとテーブルを揺らしてしまった。



「なんでわかったんですか……⁉」

「お友達と聞いて、鳥越くんか夜城くんかなと。話していた時の顔が、夜城くんと一緒にいる時の顔と同じだったので。その様子だと……片想い中ですか?」

「……はい」



相手も、恋心も、全てを見破った沢村先輩に心の中で白旗を揚げ、視線を落として小さく返事をした。


こんなにも見抜かれてしまうなんて、もう警告関係なく怖いよ。

きっとこの胸の内もバレてるよね。
協力してくれているのにごめんなさい。



「でしたら、確かめてみますか?」

「確かめる……?」



それって、潤くんを呼ぶってことだよね?

今日は用事で参加できなかったから、次の雑談会だと思うけど……確かめるって一体……?

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