赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「次回の雑談会に招待して、気持ちを引き出させるんです。彼、僕のこと敵対視してるみたいですし、嫉妬させて刺激を与えてみたらわかると思いますよ」
「嫉妬……⁉」
ちょっ、先輩! そのニコニコ顔でなんて提案を出すんですか⁉
っていうか、潤くんが嫉妬してるのバレてるし!
気持ちは知りたいけど、手のひらの上で転がすようなことしたら怒っちゃうって……。
「手荒ですが、少しでもモヤモヤが晴れたほうがスッキリしますし。それに、精神的にも落ち着くと思いますよ。いかがですか?」
「…………あまり意地悪しないでくださいね」
「はい、承知しました」
断るつもりが、治療がスムーズにいくかもしれないと感じて心が傾いてしまった。
……潤くん、ごめんね。
彼の顔を思い浮かべ、心の中で何度も謝り倒したのだった。
†††
「まさかショッピングモールに行くとは驚きました。先輩もよく行くんですか?」
「はい。3年生になってからは頻度は減りましたが、テストが終わった後に友達とよく行きますよ」