赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
翌々週の金曜日。
沢村先輩と潤くんとの3人でショッピングモールへ向かった。
登校日だったので、学校が終わった後に1回帰宅し、各自昼食を取って集合。
なので今日は全員私服で来ている。
「夜城くんオシャレですね。そのボーダー柄、よく似合ってますよ」
「ありがとうございます。先輩もすごく似合ってますよ」
「そうですか? ありがとうございます」
歩きながら褒め合う潤くんと沢村先輩。
2人とも笑顔だけど、先輩はどことなく余裕があって、潤くんは少し引きつっている。
それもそのはず、両者共にトップスの柄が被ってしまったから。
しかも下のパンツも、黒と紺色で似たような色合い。
スタイルがいいと嫉妬していた潤くんにとって、これはかなり気まずい。
「雨村さんは暑くありませんか?」
「大丈夫です! 冷房対策に着てきたので!」
「おお〜っ、対策バッチリですね」
「えへへ。健康のためですから!」