赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


ちなみに私は無地の服を着てきたのでセーフ。


……と言いたいところだけど、実はこのカーディガンの下、ボーダーのTシャツなんだよね。

本当は少し暑いけど、脱いだらボーダー3兄弟になっちゃうからここは我慢だ。


近くのお店を見て回った後、2階の婦人服売り場にやってきた。



「雨村さんは明るめの色が似合いますね」

「よく言われます。本当は大人っぽい服も着てみたいんですけど……似合いますかね?」

「似合うと思いますよ。例えば、このシンプルなシャツとか」



沢村先輩に相談を持ちかけて、服を選んでもらう。

もちろん、こういうことは自分から頼むタイプではない。


つまり、先輩の提案により、潤くんを嫉妬させるためにわざと行なっているのだ。



「このシャツは少し透けているので色っぽく見えますよ。最近流行ってるらしいです」

「へぇ、先輩物知りですね!」



シアー素材のシャツを受け取り、鏡の前で合わせる。

少しどころか、インナーがくっきりわかるくらいスケスケなんだけど……。

でも、カーディガンみたいに寒さ対策で羽織る分にはピッタリかも。
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