赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「初めての相談会はいかがでしたか?」
「最初は緊張しましたけど、すごく優しい人だったので、安心どころかもう感動しました」
「はははっ。昔から考え方が大人なんですよね。彼女も似たようなタイプなので長続きしてるんじゃないかなと思います」
ベンチに腰かけて、2人の馴れ初めを聞く。
新淵さんと彼女さんの交流が始まったきっかけは図書室。
読書が好きな新淵さんは、1人で図書室に行っては、図鑑や漫画をよく読んでいたらしい。
ある日、いつものように本に夢中になっていたら、同い年の女の子──のちの彼女さんに声をかけられた。
本繋がりで仲良くなり、そこから恋愛に発展したのだそう。
「今日は雨村さんがいたので落ち着いていましたが、前にも話した通り、僕と2人の時は別人なんですよね」
「そんなにデレデレしちゃうんですか⁉」
「はい。終始顔緩みっぱなしです。写真があったら見せたいくらいですよ」
やれやれと言いながらも、少し嬉しそうな様子。
心開いてる証拠だもんね。
「あの……先輩は、好きな人とか彼女とか、気になっている人はいるんですか?」