赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


真剣な瞳と目が合い、カウンセリングしてもらった時のことを思い出した。

同一人物かは不明だけど、大切な友達なら、親友に近い人だったのかもしれない。



「だいぶ慣れてきたみたいですし、効果を高めるためにも、今度から新淵と夜城くんも交えてみましょうか」

「ええっ⁉」

「ふふっ、冗談ですよ」

「あぁもう、ビックリさせないでくださいよ!」



クスクス笑う彼に強く言い放ち、プイッとそっぽを向いた。

内心腹を立てつつも、先輩のおかげでまた1つ成長できたのは事実。


4人で雑談会はレベルが高いけれど、悪くはないかもなぁ。

なんて思いながら教室に戻った。



────
──



「そっか。上手くいって良かったね」

「うんっ。潤くんのアドバイスのおかげだよ。ありがとう」



その日の放課後。

吸血を終えた帰り道、雑談会を無事乗り越えたことを潤くんに報告した。



「最初は超緊張したけど、ものすごく礼儀正しくて優しい人だったんだよ」

「そうなんだ。沢村先輩とちょっと似てるね」

「そう! まさに類は友を呼ぶだった!」
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