赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
安心させるために、新淵さんの人柄や、沢村先輩との関係も説明。
プライバシーの侵害にならないよう、相談内容は伏せておいた。
「顔の印象は違うんだけど、律儀で優しいところがなんとなく潤くんと似てたんだよね」
「マジで? 俺ってそんなに誠実に見えるの?」
「うん! 誠実の塊だよ!」
「……ありがとう」
べた褒めしたら、照れ臭そうに笑って目を逸らされた。
この可愛らしい笑顔、1ヶ月ぶりだ……!
いつもの笑顔も申し分ないけど、こういう甘めの表情は桁違いに癒やされるんだよね。
「誠実かぁ。俺あそこまで深くお辞儀しないんだけどな」
「いやいや、そんなこと…………え? なんで知ってるの?」
目を丸くして尋ねると、やらかしたと気づいたのか、潤くんの口から「あっ」と小さく声が漏れた。
「見てたの……⁉」
「…………ごめん、心配だったから」
「いつから⁉ どこにいたの⁉」
「2人が図書室に入っていった後に、本棚の陰からこっそりと」