赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
†††



1週間後の昼休み。



「おー! めっちゃオシャレ!」

「これなら集客効果抜群だな!」

「私この色合い超好き!」

「私も! 風花ちゃん、柚季ちゃん、本当にありがとう!」


「いやぁ〜! 照れるなぁ〜!」

「ありがとう……」



描き上げた絵を見ながら褒め言葉を連発するクラスメイト達。

デレデレしている柚季ちゃんに対して、私はテンション低めにお礼を口にした。


校内のあちこちで宣伝するために、この1週間、徹夜で数枚描き上げて……もうとにかく眠い。

授業中もまぶたが下がらないよう、必死に目をかっ開いて受けた。


今朝、目の下のクマが酷かったんだよね。
でも、ひとまず課題はクリアしたから、今夜はぐっすり眠れそうだ。


ホッとして体の力が抜けたその時──突風が吹いて、机の上の下絵達が宙を舞った。



「あっ! 待って待って! いやぁぁ! 行かないでー!」
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