赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
【今日の放課後、話したいことがあるから、いつもの校舎裏に来て】
帰りのホームルームが終わってスマホを見ると、潤くんから1件のメッセージが届いていた。
これは多分……昼休みの件について、だよね。
おじいちゃんの腰が回復したのは良かったけど、明日の朝に話そうと思ってたから、まだ心の準備ができてないよ。
でも、何の内容かは書いてないし、昼休みのこととは別のことかもしれない。
……いや、今の顔だと確実にツッコまれるし、結局話すハメになるから関係ないか。
重い足取りで校舎裏へ。
潤くんは……まだ来ていないみたい。ホームルームが長引いてるのかな。
昼休みに体力を使った疲れが出てきたからか、腰を下ろした瞬間、一気に眠気が襲ってきた。
寝不足も相まって、もうまぶたが……。
「────……うか、風花っ」
「…………んん?」
体を揺すられてうっすら目を開けると、潤くんがしゃがんで顔を覗き込んでいた。