赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
数秒間沈黙が流れた後、恐る恐る聞いてみたら、やっぱり怒っていたようだ。
「前に、『風花に何かあったら生きていけない』って言ったよね?」
「……うん。でも、そこまで高くはなかったよ」
「そうだとしても、着地に失敗してたら今頃病院行きだったかもしれないんだよ? 幸い軽いケガで済んだけど、もし大ケガしておじさんとおばさんが知ったらどうするの」
「……すみませんでした」
真剣な眼差しと声のトーンで注意を受け、再び反省。
今すぐ取らなきゃって、柚季ちゃんの声も耳に届かないくらい焦ってしまって、冷静さを失ってた。
誰も見てなかったから良かったけど、あの時先生にバレてたら、それこそ保護者召喚されてたはずだ。
「もう2度と危険と隣り合わせなことはしないで」
「……はい。申し訳ありませんでした」
千冬よりかは表情は穏やか。
だけど、言葉1つ1つの重みがズシッとのしかかってきて。
犯した事の重大さに気づき、深々と頭を下げた。