赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


「……なんて、俺がこうなったのも自業自得だから、あまり強くは言えないか」

「じゃあ、許していただけますか……?」



俯き気味の綺麗な横顔に、恐る恐る尋ねてみたら。



「うーん、どうしようかなぁ。指から吸血させてくれるなら許そうかな」

「えっ」



片方だけ口角を上げた顔とバチッと視線がぶつかった。


な、なにその意地悪な笑みは……! からかってるの⁉ もしかして、指先が敏感なのを知っててわざと言ってる⁉

うわぁ、タチ悪吸血鬼だ……!



「本当はたくさん飲みたいけど、顔色悪そうだからちょっとだけにする。いい?」

「…………どうぞ」



潤くんの意地悪。手の甲か腕にしてよ。

そう言い返そうとしたけれど、断ったらお仕置きされるかもと思い、仕方なく要求を受け入れることに。



「いただきます」

「……んっ」



右手が温もりに包まれて、指先にピリッと刺激が走った。
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