赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
学校に行く途中、運がいいのか悪いのか、千冬と合流。
ポスターの下描きが終わったから、やっと熟睡できるぞ!
と思ったのに、熟睡どころか、夜中の2時を過ぎても目が冴えてて全然眠れなかったの。
と、信号待ち中に説明したら……。
『もしかして潤がらみ? 昨日の昼休みのことで揉めたの?』
『……』
『図星だな』
『……仲直りはしたんだよ。一応』
10年以上の付き合いだからか、寝不足の理由を一瞬で見抜かれてしまったのだ。
これでも充分恥ずかしかったんだけど……。
『……あぁ、そういうことね』
『えっ?』
『風花が今悩んでること、友達の柚季ちゃんって子に話せばすぐわかるよ』
突然顔を近づけてきて、何かを察したように怪しい笑みを浮かべてきたの。
なんで柚季ちゃんが出てくるの⁉ そういうことってどういうこと⁉
そう詰め寄るも、結局最後まで答えをはぐらかされちゃって。
学校に着いてから柚季ちゃんに聞いて、ようやく納得したんだ。