赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

†††



月曜日。

朝のホームルーム終了後、いつもの場所で、いつものように吸血が行われた。


今日は意を決して、肩からの吸血を勧めてみることに。



「潤くん、吸血を始めてもうすぐ半年が経つじゃない?」

「あー、もうそんなに経つのか。早いね」

「うん。それでね、そろそろ次に進もうかなと思ってるの」

「次?」

「うん。その……今度は肩から飲んでみない……?」



ブレザーをずらして、様子をうかがうように肩を指差した。

が、彼の反応はというと。



「えっ、正気……?」

「なっ、失礼な! 元々は夏休みに言ってたじゃん」

「あぁ……そうだったね」



吸血量を減らしたくないのもあるのだけど、克服の予定時期も近づいてきたから、少しでも男の人との距離に慣れておきたいと思って。


それなのに……『正気?』って。酷いなぁ。
前にも言ってたのに、そんなに驚くこと?
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