赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「情報が少ないからあまり勝手なことは言えないけど、もしかしたら、風花みたいに対人関係で苦労したことがあったのかもしれないね」
「それは……私と同じように、友達とケンカしちゃったとか?」
「そう。繊細なら、見知らぬ人がいるよりも、沢村先輩と一対一のほうが安心すると思うし」
仮説を立てた潤くん。
だとしたら、既に相手側に私のことを伝えている?
似たような境遇なら友人の心に寄り添えるかもと思って、協力を求めてきたのかな?
もしそうなら、わざわざ私に頼んできたのも納得がいく。
「日時が決まったら一応教えてね」
「いいけど……まさか後をつけるつもり?」
「違うよ。見守るだけだよ」
「……」
「ちょっと、そんな怪しい目で見ないでよ」
正直なストーカー吸血鬼だこと。
いや、ここはボディーガードって言ったほうがいいかな。
「沢村先輩に見つからないように気をつけてね」
「うん。任せて」
過保護だなぁ。
まぁ、何かあったらすぐ飛んできてくれるのは心強いし。いいか。