赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
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物理の勉強に励みながら過ごすこと数日。いよいよ部分月食の日がやってきた。

月食まで時間が余っていたので、テスト勉強をして時間を潰そうと図書室へ。



【こんにちは。この間話した相談会の件ですが──】



スマホのメッセージアプリを開き、沢村先輩から送られてきた相談会の詳細を確認する。


日時は、テストが終わってすぐの日曜日。午後1時から。

集合場所は、学校の近くにある駅の中のパン屋さん。


新淵さんみたいに写真で顔を見たかったけど、写真がないとのことで、確認できず。

外見は新淵さんと同じく、少し近寄りがたい雰囲気。

中学時代からの関係で、一途で優しい人らしい。


返信して図書室に入り、潤くんが来る前に先に席を取った。

1階のカウンター近くの席に座って溜め息をつく。


……いよいよ肩から吸血かぁ。


痛みがどれくらいなのかは不明だけど、柔らかい二の腕よりかはマシかな?

吸血部屋も何気に初めて入るし、少し楽しみかも。
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