赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

「風花っ」

「あっ、こっちこっち!」



数分後。潤くんがやってきたところで、勉強会スタート。

今週は物理をたくさん勉強したので、今日は家庭科を勉強する。

野菜の切り方のページを開き、図と一緒に名前を頭に叩き込んでいく。


赤、オレンジ、緑……美味しそうな野菜が並んでて、なんだかお腹が……。


グゥゥゥゥ……。



「ふふっ、お腹空いたね」

「そうだねぇ〜」



教科書に載っている野菜やお肉、おかずを見てたら、お腹の虫が鳴いちゃった。

だけどまだ4時台。月食のために6時くらいまで残るから我慢しないと。



「今日の晩ご飯は何だろう。特別な満月にちなんで、豪華なお肉が食べたいなぁ」

「お肉いいよね。ちょうど晩ご飯の時間帯だから眺めながら食べられそう」

「わぁ〜! それ贅沢〜! 潤くんは普段どんな物食べてるの?」

「おじいちゃんとおばあちゃんがいるから柔らかい物が多いんだけど、時々俺専用にステーキとかの固めの物を作ってくれるかな」

「へぇ、優しいね〜」
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