赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
私のせいで単身で戻るはめになってしまった上、まだ転校してきて1ヶ月くらいしか経っていない。
クラスに慣れたかは不明だけど、今後の学校生活を安心して送るためにも、ここは協力しないわけにはいかないよね。
「私でよろしければ……お願いします」
「ありがとう……!」
ガバッと顔を上げて満面の笑みを浮かべた潤くん。
一瞬、漆黒の瞳がキラッと光ったような。
口角も上がりすぎてえくぼが見えちゃってる。
潤くんの味覚が心配だけど……主食が違う人間と吸血鬼じゃ、味覚が違う可能性もあるかもしれない。
こんなに喜んでくれているなら……大丈夫、かな?
少々不安を抱えながら、愛くるしい笑顔の彼と熱い握手を交わしたのだった。
†††
翌朝。
「────……っていうことがあったの」
「ひゃー! なにその運命的な再会は! 胸キュンどころかギュンギュンするぅー!」