赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
計画……そういえば、沢村先輩は私と翼の関係を知っていた。
それに──。
『じゃああなたは、彼女が苦しんでいた本当の理由をご存知なんですか?』
あのセリフ……まるで私と翼の過去を既に知っているような言い方だった。
ということは……。
この相談会や今までの雑談会、治療の提案を持ちかけてきたのも。
全部ぜんぶ、最初から仕組まれていたものだったの……?
────
──
人混みを抜けて駅の外へ。
広場で少し休んだ後、千冬と落ち合い、詳しい話を聞きに私の家に向かった。
「説明する前に1つ謝らせてほしい。俺、風花が翼とギクシャクした理由、知ってた」
部屋に入って床に腰を下ろすやいなや、「黙ってて本当にごめん」と千冬が頭を下げてきた。
「えっ……い、いつから……?」
「……ちょうど3年前。翼と揉めて帰った後に」
「そっか……じゃあ、既に最初から知ってたんだね」