赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
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「潤くん、お待たせっ」

「ううん、俺も今来たとこ」



ホームルーム終了後。
急ぎ足で校舎裏へ向かうと、一足先に潤くんが来ていた。

時間も少ないので、早速血をあげることに。



「病み上がりだから、手の甲からちょっとだけもらうよ」

「えっ、飲みにくくない? 首から飲んだほうが……」



遠慮する彼に、急いでシャツのボタンを外して首を見せるも──。



「大丈夫。だって……こんなに震えてるし」

「あっ……」



震える両手を包み込むようにそっと握られた。



「図書室でも震えてたよね? 焦ってるのかなって思ってたんだけど……もしかして、怖かった?」



視線がぶつかり、ドキッと心臓が音を立てる。



「吸血されたの初めてだったから……少しだけ。あと、昔色々あって、ちょっと男の人が苦手なの。あ、潤くんは苦手じゃないよ!」



眉尻を下げている潤くんに、これ以上悲しい顔をさせたくなくて、今抱えている気持ちを正直に話した。
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