赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

切なさの夕月



私と潤くんと千冬と翼はご近所さんで、幼い頃から一緒に過ごしていた。

私はあまり覚えてないけど、お母さんの話では、幼稚園に入る前から一緒に遊んでいたらしい。



『わぁ〜! じゅんくんのお花、かわいいね〜!』

『ありがとう。ふうちゃんのもかわいいよ』

『おれのもすごいぞ! 見ろ! いっぱいかいたんだぞ!』

『つばさ、落ち着け』



これは……みんなで絵を描いて見せ合った記憶。

潤くんの家で花の絵を描いた記憶だ。


昔から潤くんはいつも穏やかで、翼は元気いっぱいで負けず嫌いで。そんな翼を千冬が落ち着かせていたっけ。

みんな大人になったけど、性格はあまり変わってないかも。……翼を除いては。


休みの日は外で遊んだり、それぞれの家でゲームしたり、ご飯を食べたりしたなぁ。




『ふうか! 泣くな! みんな痛いんだぞ!』

『そういうつばさだって泣いてるじゃん!』
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