赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
他には……。
『それでね、みんなで恋バナしたんだよ〜』
『へぇ〜』
翼の家で宿題中。
夏休みに行われた林間学校で、ルームメイトの女の子達と恋バナで盛り上がった話をした。
全員に好きな人がいるってわけじゃなかったから、いない人は、好きなタイプや、憧れのシチュエーションを暴露したの。
みんな顔真っ赤で悶えてて、先生に『早く寝なさい!』って怒られたっけ。
『それで、風花は何話したの?』
『えぇ〜っ、内緒!』
『うわ、うっぜ。自分から話しといて秘密かよ』
乱暴に吐き捨てた翼にムッと頬を膨らませる。
『どうせ話したところで、現実見ろって言うんでしょ?』
『まぁな。大体女子は夢見がちなんだよ。少女漫画の読みすぎ』
『なっ……! そういう男子だって、休み時間に必殺技繰り出して戦ってるじゃん! 少年漫画の読みすぎだよ!』
『それは風花のクラスでだろ? 俺のクラスはやってないぞ。そもそも人数少ないし』