赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
肩身が狭い思いをしているようで、教室ではおとなしく過ごしているという。
むむ……確かに3人だけだと全然迫力ないな。
敵役と勇者役と、その他の役しかないし。
『そうだ、風花とルームメイトだった女子に、風花が話してた内容聞いて、潤に手紙で送りつけてやろうっと』
『ちょっ、やめてよ‼』
『なに、潤に言えないくらい妄想爆発させてたの?』
『こらこら、恋心をからかうのはやめなさい』
ニヤつく翼を見た瞬間、カァーッと顔が熱くなり、側にあったクッションを彼めがけて投げ飛ばした。
何を隠そう、この時みんなに話したのは潤くんのこと。
本人にバレたら死ぬ程恥ずかしいって思って、クッションだけじゃなくぬいぐるみまで投げた。
『うわっ! お前……人の物を乱暴に扱いやがって! これも潤にバラしてやろうか⁉』
『いやー! それもやめてー! ごめんってばー!』
『……お2人さん、宿題中なの忘れてない?』