赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


肩身が狭い思いをしているようで、教室ではおとなしく過ごしているという。


むむ……確かに3人だけだと全然迫力ないな。

敵役と勇者役と、その他の役しかないし。



『そうだ、風花とルームメイトだった女子に、風花が話してた内容聞いて、潤に手紙で送りつけてやろうっと』

『ちょっ、やめてよ‼』

『なに、潤に言えないくらい妄想爆発させてたの?』


『こらこら、恋心をからかうのはやめなさい』



ニヤつく翼を見た瞬間、カァーッと顔が熱くなり、側にあったクッションを彼めがけて投げ飛ばした。


何を隠そう、この時みんなに話したのは潤くんのこと。

本人にバレたら死ぬ程恥ずかしいって思って、クッションだけじゃなくぬいぐるみまで投げた。



『うわっ! お前……人の物を乱暴に扱いやがって! これも潤にバラしてやろうか⁉』

『いやー! それもやめてー! ごめんってばー!』


『……お2人さん、宿題中なの忘れてない?』

< 267 / 316 >

この作品をシェア

pagetop