赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
彼を思いっ切り引っ叩いた日から、からかわれる頻度は減ったのだけど、意地悪なのは変わらず。
1人だけ離れて寂しいのかな?
そう思って帰り際に尋ねてみたら、『マジうぜぇ』って一蹴されて。またイラッときて、お腹をグーパンチ。
またまた千冬に叱られるはめに。
そんな慌ただしい日々過ごすこと2年間。私達3人は中学に入学。
以前と同じく、翼だけクラスが分かれちゃったけど、相変わらずの関係で。
『ねぇ千冬、血液ランク何だった?』
『ん? Cだけど。なに、また落ちたの?』
『……うん』
健康診断の結果をもらった日、いつものように3人で下校中。
今までCとDを行き来していた血液検査で、今回初めてDマイナスに落ちてしまってガックリしていた。
『俺に暴力を振るってきた罰じゃね?』
『っな、なによ! Bランクだからって偉そうに!』
『いやぁ、見事に、“Disappointed”ですねぇ』
『ディサ……⁉ なにそれ!』
『ガッカリって意味だよ』
『っ……⁉』