赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


久々に見た、翼のドヤ顔。

頭がいいからって調子に乗って……!



『なら! BランクのBは、バカのBだ!』

『はぁ? なに言ってんだ。BランクはBestのBなんだぞ?』

『なわけないでしょ⁉ 1番はAランクだよ!』


『おい、2人とも落ち着け』



真ん中にいる千冬に止められ、プイッとそっぽを向く。


中学に上がっても、小学生の頃と変わらず、登下校は毎日一緒で。

時々言い合いしつつも、良好な関係を保っていた。


誕生日には……。



『ほ、本当にいいの?』

『おぅ、好きなだけ頼め。今日は特別だ』

『ありがとう……!』



千冬と一緒にサプライズでお祝いしてくれて。

お手伝いで稼いだお小遣いで、ご飯とデザートを奢ってくれたんだ。


この時、お互い思春期に入って少しよそよそしくなってた時期だったから、めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えてる。

俺様系でちょっぴり意地悪だけど、こうやって毎年誕生日を祝ってくれたり、勉強を教えてくれたりして……なんだかんだ優しかったな。
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