赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
『じゃーな』
『あっ、ちょっと……!』
詳しく聞けず、彼はひらひらと手を振って去っていってしまった。
結局何を相談していたのか、真相は未だに不明。
だが、今になってわかったのは、不機嫌な理由に、私と潤くんが関わっていたということ。
一見同じように見えて、違う生き物な私達。
そんな彼の気持ちをもう少し考えていたら──あんな悲劇は起こらなかったのかもしれない。
月日は流れて12月。
『昨日、潤くんから手紙が来てね、今度クラスでクリスマスパーティーするんだって!』
『あ、それ俺も昨日来た。プレゼント交換するんだってな』
登校中。千冬とクリスマスの話で盛り上がっていた日のことだった。
『いいなぁ、プレゼント』
『はっ、プレゼントって子どもかよ』
『なっ……私達だってまだ子どもじゃん! もしかして、自分だけ手紙もらってないから拗ねてるの?』
『アホか。なわけねーだろ。1度も会ってないわりには仲良しで良かったですね』
『なにその言い方!』
『こら2人とも、朝からケンカすんな』