赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

『マセガキが調子に乗りやがって……』

『やっ、やめて……』



必死にもがくも、手首を強く押しつけられていてびくともせず。

覚醒して我を失った彼の顔が近づいてくる。



『……上書きしてやる』


『っ……!』



ボソッと呟く声が聞こえると、強引に唇を塞がれた。


熱を持った唇が、何度も何度も降ってくる。

その感覚から逃げようと顔を動かすも……。



『んん……っ!』



今度は唇の間から舌が侵入。

唇よりも熱を帯びた舌が絡みついてきた。


声が出せない代わりに、体をよじって抵抗するけれど……。



『動くな!』

『いやぁぁっ!』



ブチブチッと制服のボタンを引きちぎった翼。

そのままブラウスのボタンも一緒に引きちぎってしまった。

胸元にひんやりした空気が触れる。



『やだっ! 翼! やめて!』

『うるせぇ! 静かにしろ!』
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