赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
それから1週間──再び見えない恐怖に襲われた私は学校を休んだ。
貧血で倒れたわけではないので、休んでいる間は、柚季ちゃんから送られてきた授業ノートの写真を元に、ノートにペンを走らせた。
柚季ちゃんだけじゃなく、千冬にも宿題のプリントや提出物の配達をお願いしたため、この5日間、2人には迷惑をかけてしまった。
……けど、それ以上に迷惑を、いや、負担をかけてしまったのは潤くんだ。
──コンコンコン。
「風花、来たよ」
「あっ、はーい。ちょっと待って」
学校が終わってから毎日、血をもらいにやってくる潤くん。
教科書にペンを挟んで中断し、少しだけドアを開けた。
「……はい、どうぞ」
「ん、いただきます」
ドアの隙間から手の甲を出して、彼に血を分け与える。
取り乱した日から、顔を合わせるのが怖くなってしまった。
だけど、全く飲まないのも体に悪いので、学校が終わった夕方の時間に、このような形で吸血させることにしたのだ。