赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
午前の授業が終わり、昼休みの時間がやってきた。
現在机を向かい合わせにして、柚季ちゃんと一緒にお弁当を食べている。
「風花は今夜何着ていくか決まった?」
「いや、まだ何も。柚季ちゃんは決まってるの?」
目を輝かせる柚季ちゃんに尋ねて、卵焼きを口に運ぶ。
「もちろん! 複数人とはいえ、彼氏と夜に会うんだよ? しかも皆既月食というロマンティックなイベントつき! 気合いが入らないわけがないよ!」
ムフフと頬を赤らめる柚季ちゃん。
今夜は新しく買ったワンピースを着ていくんだって。
ここ最近ずっとテスト勉強してたから、何着ていこうかなんて全然考えてなかった。
「風花も、愛しの幼なじみに私服で会うんだから、早いとこ決めちゃいな」
「う、うん……っ」
カーッと顔の熱が上がるのを感じ、お茶を飲んで熱を下げる。
先週、潤くんのことを説明してから、柚季ちゃんはずっとこの調子。
2日に1回のペースで、「進展あった?」って尋ねてくるの。