赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
目が覚めたばかりなのにも関わらず、血を摂取して元気になったのか、潤くんは体を起こし、私の腰に手を回して抱き寄せた。
そのままベッドに座らされて、向かい合わせに。
「まだ怖い……?」
「……ううん」
漆黒の瞳がゆらゆら揺れて、ゆっくり紅色に変色していく。
あれだけ怖いって直視できなかったのに。
手を握られているからかな。
琥珀色の瞳がチラつくことはなくなって、不思議と安心感で満たされている。
「良かった……」
「うわっ」
安堵したかと思いきや、ガバッと抱きつかれてしまって、目を見開いてフリーズ。
「じゅ、潤く……」
「ごめん、あと1分だけこのままでいい?」
「う、うん……」
……やっぱり、さっきからおかしい。
勝手にキスした自分が言えるものじゃないけど、いつもより積極的というか、甘い気がする。
りょ、両想いになって喜んでるからなのかな……⁉