赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
追加で説明すると、柚季ちゃんの顔に苦い笑みが現れた。
小さい頃は、頭や手足をあちこちにぶつけたり、切り傷や擦り傷を作ったり。潤くんのお世話になってたっけ。
振り返れば、1番ケガを治してもらっていたと思う。
今はたまに掃除中に頭をぶつけるくらいで、だいぶ落ち着いた。かな?
「だからいつも遊ぶ時、露出が低い服着てるんだね。制服のスカートも長めだし」
「そうそう。でもね、一応ミニスカート持ってるんだよ! 秋冬用の!」
「春夏用じゃないんかい」
柚季ちゃんから素早いツッコミを食らった。
「春夏だったら、長めのスカートは持ってるよ。それ穿いていこうかな」
「そう……。まぁ、今日はナイト様が2人もいるし、よっぽどはしゃがない限りは大丈夫でしょう」
ナイト様かぁ。
潤くんはイメージ通りだけど、千冬はどちらかというとお兄ちゃんのイメージが強い。
でも、2人には昔からお世話になりまくってるし、そう例えるのもわかるかも。