赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


表情を崩さずにボソッと呟いた千冬の元に向かう。

親密な私達が羨ましいのか、ちょっぴりご機嫌ななめの様子。


寂しい思いをさせてごめんねと言わんばかりに、機嫌を損ねた彼の背中をポンポン叩いて慰めた。



────
──



「風花ー! こっちこっちー!」



歩くこと20分。

公園の入口で自転車を持って手を振っている柚季ちゃんを見つけた。

隣には彼氏と思われる背の高い男の人がいる。



「ちょうど良かった。私達も今来たところなの。自転車置いてくるから先に入ってて」

「了解っ」



柚季ちゃん達と同じく、自転車で来た潤くんとも一旦別れて、千冬と2人で場所を探しに中へ。


奥に進むにつれて、空を見上げている人が増えてきた。

この公園は広い上に見晴らしもいいから、人がたくさん集まっている。



「けっこう欠けてるね。あとどれくらいで始まる?」

「もうすぐ7時半だから、あと40分くらい」

「わ~、待ち遠しいな~」
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