赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
移動しながら欠けた月をスマホで撮っていると、自転車を置いてきた3人がやってきた。
「こんばんは~。はじめまして、柚季の彼氏のレオです」
「こちらこそ。柚季ちゃんのクラスメイトの風花です!」
和やかな笑みで自己紹介してきたレオさんに、元気よく名乗った。
ふわふわで柔らかそうな髪の毛が印象的で、話の通り、穏やかな雰囲気をまとっている。
その反面、身長は私より頭1個分高く、肩幅も広くてガッチリした体つき。
柚季ちゃんを守ってくれそうな安心感がある男の子だ。
「はじめまして。風花の幼なじみの千冬って言います」
「風花さんと千冬さんですね。今日はよろしくお願いします」
丁寧にお辞儀をした彼と握手を交わす。
手もガッシリしてて大きいなぁ。
例えるなら、メインクーンやラグドールみたいな大型猫っぽい。
木が空を遮っていたため、奥の広場まで足を運ぶ。
「レオはね、柔道部のエースで、何度も大会で優勝してるんだよ!」
「すごーい! レオさん強いんですね~!」
「えへへ、ありがとうございます」