赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

自慢気に語る柚季ちゃんに、照れくさそうに笑うレオさん。

2人の間にハートマークがたくさん飛んでてラブラブだ。幸せそう。



小道を抜けて広場に到着した。

見晴らしがいいだけあって、大勢の人が集まっている。


空いている場所を探し、雑談を楽しみながら待つこと30分。

いよいよ皆既月食が始まった。



「赤くなってきたー」

「わぁ~! 綺麗~!」



家族連れやカップル、若者達の感嘆する声があちこちで上がる。



「綺麗だね。今日来て良かった」

「私も」



右隣を見たら、柚季ちゃんがうっとりした表情を浮かべていた。


返事はしたものの、視線は月というよりレオさんに向いているような……?

私が隣にいるのを忘れて彼氏に釘づけのようだ。


一方左隣では。



「綺麗に撮れた?」

「うん。1分ごとに撮ってる」

「お〜っ、さすが一眼レフ。質がいいな」
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