赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―

「月よりももう少し鮮やかだったよ!」

「へぇ。今度吸われる時に見てみよ」

「無理しなくていいんだぞ?」

「目だけ見るから平気だって」



仲睦まじい2人の会話に入るも、彼らの視線は再びカメラへ。


右隣にはラブラブカップル、左隣には仲良し幼なじみ。

……なんだか、親密な空気のせいで、リア充に挟まれている感覚がする。柚季ちゃん達みたいに笑い合っているからかな。

そ、それともまさか、千冬も潤くんのことを……⁉



────
──



「綺麗だったね~! 次はいつ観られるかな?」

「次は11月に部分月食があるって。夕方に観られるみたい」

「そうなの? 情報が早いね!」



月食観賞後、柚季ちゃん達と別れて帰路に就く。


夕方なら、放課後に学校で観ることができるかもしれない。

物知りな千冬のおかげで、半年先の予定が決まった。


と同時に。



「じゃあ俺こっちだから」

「おぅ。勉強会の話は来週詳しく話す」

「了解。風花、また明日」

「またね~! おやすみなさ~い!」
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