赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


別れ道に到着し、潤くんを見送った。


実は来週の水曜日、テスト期間中だけど、3人で勉強会をすることにしたんだ。

というのも、テスト4日目の木曜日に、それぞれ苦手な教科のテストがあって。

1人でやると投げ出したくなるだろうから、諦め防止にみんなでやろうよと急遽決まったのだ。



「そんなに潤との勉強会が楽しみですか」

「うん。えっ、なんでわかったの⁉」

「何年一緒にいると思ってるの。見てたらわかるよ。ヘアピン直してもらってる時も照れてたし」



うっ、バレてたんだ……。



「ごめんね。気をつけるって言ったのにまた寂しい思いさせちゃって」

「いや別に。寂しがってないよ」

「……潤くんのこと、狙ってるわけじゃないよね?」

「は? 何の話?」



念のため確認してみたら、「月の見すぎで頭おかしくなった?」と心配されてしまった。

良かった。取り越し苦労だったみたい。

千冬が恋のライバルじゃなくて一安心したのであった。
< 45 / 316 >

この作品をシェア

pagetop