赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
別れ道に到着し、潤くんを見送った。
実は来週の水曜日、テスト期間中だけど、3人で勉強会をすることにしたんだ。
というのも、テスト4日目の木曜日に、それぞれ苦手な教科のテストがあって。
1人でやると投げ出したくなるだろうから、諦め防止にみんなでやろうよと急遽決まったのだ。
「そんなに潤との勉強会が楽しみですか」
「うん。えっ、なんでわかったの⁉」
「何年一緒にいると思ってるの。見てたらわかるよ。ヘアピン直してもらってる時も照れてたし」
うっ、バレてたんだ……。
「ごめんね。気をつけるって言ったのにまた寂しい思いさせちゃって」
「いや別に。寂しがってないよ」
「……潤くんのこと、狙ってるわけじゃないよね?」
「は? 何の話?」
念のため確認してみたら、「月の見すぎで頭おかしくなった?」と心配されてしまった。
良かった。取り越し苦労だったみたい。
千冬が恋のライバルじゃなくて一安心したのであった。